を楽しく彷徨ううちに、次第に夕暮れが近づいてきました。
森は黄金色に輝き始め、その暗がりから、大きな熊が現れました。
口がモゴモゴと動きだし、低く包むような響きが伝わります。

『僕は、キミのメディスンの同族さ。彼はもっとずっと先の
寒い所に住んでいるので、代わりに、伝言を持ってきた。』


確かに そう伝えきたような気がしました。

『ドリームタイムを旅する二本足のヒトよ。
夜になったら、僕ら熊族のように洞穴に入りなさい。
洞穴は、源への道を開く。
行くべき場所への答えは、ココロの中の洞窟にある。』


それだけ言うと、黄昏の暗がりに、のそりと消えて行きました。


ANIMAL MEDICINE LIST


● クマ Bear

‐内省・瞑想‐

クマは、夜だけでなく
冬眠という、もうひとつの大きな夜を体験します。

冬眠中のクマは、半覚醒の状態にあり、
沈黙の闇の中で、世界を別の次元から感じ
新たな夢を見ながら、
次の春(活動期)に向け、心身を整えます。

洞窟の闇は、すべてを生み出す子宮の闇
でもあり、内なる深淵への廻廊です。

春と夏が、餌を集め、恋をし、子育てなど
何かと忙しく生を謳歌する長い昼ならば、
秋は栄養を蓄え、夢見るそのサイクルの前の黄昏の時間です。

そして冬、彼らは生の時間の疑問と答え、
さらに見知らぬ可能性を求め、夢の時間へ入ります。


それは遺伝子の情報に触れ、
忘れた記憶を思い出す、長い瞑想の時間です。