面の対岸へ進むと、いつのまにか海でした。
そして、氷山が漂う浜辺に出ました。

随分遠くに来たなぁ、
と海の彼方を見ていると白いものがふたつ、
転がるようにベールの影から飛び出してきました。

なんとそれはシロクマの子供達でした!!
森で出会ったクマの言葉がよぎります。
その瞬間、氷塊が動き出したように
大きな母グマが、突然ノソリと左から現れました。

『ワタシは、キミの左のメディスン。
ずっとキミと共に、同じ風景を見てきた。
もうひとりのキミ。キミの女性性を守るもの。
歩みながら夢を見、同時に大地を生きるもの。
青い道と赤い道が一体だと知るもの。』

ワタシは彼らに触れ、旅の終わりが近いことを感じました。

『さあ、そろそろ、もう一人いる、最後のワタシに会うときです。』

そう言葉が響くと同時に、
ドン!と強い衝撃を受け、右側に大きく跳ね飛ばされました。


ANIMAL MEDICINE LIST


●シロクマ Polar bear

‐歩く瞑想 ‐

シロクマは、北極のみに生息する最大の熊。ヒグマの近縁種です。

それゆえ、そのメディスンは、クマと共通しますが、
彼らならではの特徴もあります。

それは「歩く冬眠(walking hibernation)」を行う事。

彼らは、ヒグマのように洞穴で冬眠することはありません。

食料が乏しい期間、代謝を抑えて体温や能力を低下させ、
冬眠状態には入りますが、洞窟で巣篭もりすることなく動きまわっています。

洞窟で半覚醒の瞑想状態に入るのではなく、
動きながら瞑想しているのです。

仏教には、座って行う座禅の他、
立禅や動禅さらには食禅というものがあります。

究極的には、生活の全てが禅になり得ます。

シロクマは、生活と瞑想を連続し、繋ぐことを暗示します。

また、泳ぎや潜りが得意で、 アオサギのように水中から獲物を取ることから、
無意識と顕在意識の往復を表します。

二つの意識の深い対話を促し、
それが豊かさ・強さとなって現れた姿がシロクマです。

それは内なる子供(ハワイではウニヒピリ)と 、
自我意識(同、ウハネ)との統合を意味します


シロクマメディスンを持つ人は、時には、
歩きながら行う、散歩瞑想がおすすめです。